Webライターの収入を上げる方法は「文字単価を上げる」「作業量を増やす」の2択になります。
とくに単価アップでは作業時間を増やさずに効率的な働き方が可能です。一方で、単価交渉のやり方はイメージしにくい部分も。
そこで今回は、Webライターが単価アップする方法についてご紹介します。単価の交渉ではアピール方法に加えて、タイミングもとても重要です。
Webライターとして効率的に収入アップを目指したい人はぜひ参考にしてくださいね!
Webライターが単価アップを目指すには?
Webライターが単価アップを目指すポイントはこちら。
- 知識とスキルを伸ばす
- 専門性をつける
- 対応可能な業務の幅を広げる
- クライアントの望みを提供する
- 予算のあるクライアントとつながる
Webライターが単価アップを目指す上では、クライアントや編集者の信頼を獲得しながら、実績を積み上げていくことが大切です。
単価アップのポイントについて詳しく解説します。
知識とスキルを伸ばす
Webライターとしての知識やスキルを伸ばし、成長や成果を得ている状態は、単価交渉に大切な要素です。
Webライティングスキルとしては、以下が挙げられます。
- わかりやすい文章スキル
- SEOライティングスキル
記事作成における検索結果の上位表示や高単価案件の受注などにつながりやすく、実績としてアピールしやすい傾向に。
ライティングの知識やスキルを培い、実績として提示できると、クライアントも単価アップを検討しやすくなります。
専門性をつける
専門知識や実績を磨くことも、単価アップにおいて重要な要素です。
たとえば、クライアントの案件に対して数名のライターから応募があった場合。専門性の高い資格を取得している人や実務経験がある人ほど、実力やスキルを評価しやすく安心して仕事を任せられます。
不動産の案件で宅建士資格がある人とない人では、資格を保有する人の方が有利になるでしょう。
もちろん、採用では提案文の内容や過去の実績なども関わってきますが、専門性は強みとなり他のライターとの差別化にも有効です。
専門性の出し方がわからない人は「興味・好きなジャンル」や「苦手ではない高単価ジャンル」から専門分野を見つけてみましょう。
対応可能な業務の幅を広げる
対応可能な仕事の幅を広げると、編集者やクライアントの業務負担を減らし、楽な仕事の仕組み化に貢献できます。
たとえば以下のように業務の幅を広げると、仕事の負担を減らすライターとして付加価値を与えることが可能です。
- 構成の作成
- 画像選定
- リライト
- CMS入稿
- キーワード選定
最近では、シンプルなWebライティングに加えて、プラスαの業務をお願いするクライアントも増加している傾向に。
クライアントの仕事を楽にする姿勢で、対応可能な業務の幅を広げていくと単価アップも狙いやすいです。
クライアントの望みを提供する
クライアントが「求めるもの」を提供できるライターは、信頼を獲得しやすく単価アップもスムーズになります。
クライアントの求めるものは、納品スピードの場合もあれば納品物の質を重視している場合もあり、個人でさまざまです。
基本のクライアントワークを厳守しつつ、クライアントが求めるプラスαの要素を提供できているかを常に意識することが大切。
クライアントの求めている部分を汲み取れると、信頼や円滑な業務へつながり、快く単価アップしてもらえるでしょう。
予算のあるクライアントとつながる
クライアント側の予算の関係で単価アップできない事態を回避するべく、予算のあるクライアントとつながることが大切。
良好な関係で自分のスキルを認めてもらえている場合でも、クライアントの予算がなく、単価交渉が失敗するケースもあるからです。
たとえば、あなたが「ライティングの単価を3円にあげてほしい」と望んだ場合。仮にクライアントが文字単価3円で受注しているならば、チェックや納品の手間から文字単価は1.5円以上は厳しいでしょう。
将来的に単価アップを目指す場合「今後、単価交渉できそうなクライアントか」については契約前にチェックしたい部分です。
上流につながるほど単価は高くなりやすい
案件の単価はお金が発生する場所に近いほど、高単価でお仕事を獲得しやすいです。
たとえば企業とWebライターの間に、ディレクターや編集者が入るほど単価は低くなります。直接契約で、企業(発注者)から受注していただけると、単価もアップしやすくなりますよ。
また規模の大きい法人企業は、案件数や予算があり単価アップを快く引き受けてもらいやすい傾向に。
単価アップでは予算のあるクライアントはもちろんですが、お金の発生源に近い場所で営業することもポイントです。
単価交渉はタイミングが重要
単価交渉をするタイミングとしては、クライアントとの信頼関係が構築された状況がベスト。
たとえば以下のシーンは単価交渉にもっていきやすい傾向にあります。
- 継続で取引を続けている(2・3ヶ月・10記事以上など)
- 修正がほとんどない状態
- 追加の作業を依頼されている
- 単価の高い案件を他で受注した
- 現在の単価で仕事を続けることが厳しい
- 今後も自分を採用するメリットを伝えられる
自分の収入や単価の関係で金額をあげて欲しい場合も、相手が単価アップする理由について理解できる必要があります。
クライアントも納得できるベストなタイミングで、単価交渉の成功率を上げていきましょう。
単価交渉の伝え方
クライアントに単価交渉する際は、しっかり付加価値を持たせることが大切です。
要望を日々の感謝の気持ちとともに丁寧な言葉遣いでまとめましょう。
実際に単価アップをお願いする際は、以下の3つを意識してみてください。
- 単価をあげて欲しいことを伝える
- 希望単価は具体的に伝える
- 今後も仕事をご一緒するメリットを提示する
伝え方のポイントを例文とともに解説します。
単価をあげて欲しいことを伝える
単価をあげて欲しい気持ちは、はじめの段階で率直に伝えます。
単価アップの遠回しな伝え方はかえって逆効果。金額をはぐらかされてしまう恐れもあるため、希望額ははっきりと伝えていきましょう。
また単価アップを希望する理由まで一緒に伝えると、クライアントも納得しやすいです。
- 修正がほとんどない
- 専門知識を習得した
- 対応できる業務を増やせる
- 納品本数を増やせる
- 執筆できるキャパがMAXに近づいている
- 半年以上継続して納期を守っている
あくまで今後もお取引を続けたいからこそ、上記の理由で単価をあげて欲しいと伝え、判断材料にしてもらうのがポイントです。
例文
〇〇様
いつもお世話になっております。
今月も継続のご依頼をいただきまして誠にありがとうございます。
突然で申し訳ないのですが、今後のご依頼に関しまして1点ご相談がございます。
ありがたいことに現在多くのご依頼をいただいており、今後は文字単価を一律して◯円で受注することにいたしました。
〇〇様と今後のお引き取りをするにあたって、文字単価を上げていただくことは可能でしょうか?
〇〇様
いつもお世話になっております。
今月も継続のご依頼をいただきまして感謝申し上げます。
突然のお願いで申し訳ないのですが、今後のご依頼に関しましてご相談があります。
継続のご依頼をお引き受けするにあたり、今後は文字単価をあげていただくことは可能でしょうか?
来月から本業に切り替えてWebライターを続けていく次第で、今後も〇〇様とはお取引したいと考えております。
日頃の感謝の気持ちと今後もお仕事をご一緒する上で単価アップが不可欠であることを伝えましょう。
希望単価は具体的に伝える
単価交渉では「どのくらいの単価を希望するか」について、価格を具体的に添えましょう。
「単価をどのくらい上げられるか?」をクライアントに伺うと「0.1円なら」「単価アップは厳しい」と渋られる可能性も。
はっきりした数字は伝えにくい部分でもありますが、具体的に伝えるのが希望単価を叶える秘訣です。
一方的な希望であることをお詫びしつつ、希望単価は具体的な数字で伝えることが大切です。
例文
次の内容をご検討いただけないでしょうか。
【現在】文字単価〇〇円以上:文字単価◯円以上(税別・手数料別)
↓
【提案】文字数〇〇文字以上:文字単価〇〇円以上(税別・手数料別)
一方的な都合でお願い位してしまい誠に申し訳ございません。
あなたが仕事を続けていけると納得できる金額を具体的に提示しましょう。
今後も仕事をご一緒するメリットを提示
今後もあなたに依頼するメリットを提示するとクライアントも納得して単価交渉を引き受けやすいです。
そもそもクライアントは「外注費用を抑えてサイトを作りたい」と考えるもの。
単価アップという要望をお願いするからこそ、クライアントにとってもメリットを感じてもらうことが重要です。
たとえば以下のような追加提案によって付加価値をアピールしましょう。
- 今後は毎月○本記事を納品できる
- CMS納品まで対応する
- ブログやTwitterで記事を拡散できる
- 画像選定できる
- サイト設計ができる
追加提案やメリットの提示は、クライアントの特徴やライターに望んでいる部分を汲み取って伝えてくださいね。
相手側のメリットも提示できるライターは、クライアントとwin-winの関係を構築でき、円滑に業務を回せるでしょう。
例文
お引き受けいただけた際には、納品記事数を増やしCMS入稿もお引き受け可能です。
具体的には月に◯本納品できます。
今後とも〇〇様とは末長くお仕事できましたら幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
ご検討いただける場合、御社の案件を優先して受注させていただきたいと考えております。また、大量発注もお引き受け可能です。
今後も〇〇様と末長くお仕事をさせていただきたく存じます。
今後ともよろしくお願いいたします。
クライアントにとってもメリットを感じやすい追加提案であることがポイント。単価をあげてまで仕事を一緒にしたいと思えるかが単価アップのカギとなります。
Webライターの単価アップにおける注意点
希望の単価や収入に近づく単価交渉ですが、注意するべき部分も。
注意点を把握していない状態だと、クライアントとの相性を悪くするほか、信頼を失ってしまう原因につながります。
事前に注意点を把握した上で単価アップを交渉しましょう。
- 単価交渉は失敗する可能性も十分ある
- 交渉するクライアントは選ぶことが大切
- 単価アップに失敗した場合まで考えておく
注意点や対処法についてひとつずつ紹介します。
単価交渉は失敗する可能性も十分ある
単価交渉は失敗する可能性もあり「必ず成功するとは限らない」と認識しておくことが大切です。
単価交渉を行うライターは多数な一方、さまざまな理由から単価交渉に応じれないクライアントも多い傾向に。
万が一、単価交渉に適したタイミングで自分をアピールして断られた場合も気にせず仕事を継続してOKです。機会があれば、あらためて単価交渉するスタンスで、自分の希望をアピールしましょう。
また、手持ちの案件が安定しているタイミングだと、少しでも精神的に余裕をもって交渉できますよ。
交渉するクライアントは選ぶことが大切
あなたが「単価アップしたい」と思っていても、単価交渉するクライアントは選ぶことが大切です。
とくに予算のあるクライアントや予算変更の権限をもっている相手だと、単価交渉はスムーズになります。
また、発注者の経営状況や担当者の立場から単価の幅を考えて交渉することがポイント。発注先の予算や状況を考えた上で、現時点の単価に希望の単価を加えていくイメージです。
単価アップに失敗した場合まで考えておく
単価アップの結果はクライアントにもよるため「失敗した場合にどうするか」まで考えておく必要があります。
単価交渉が失敗するとクライアントとの関係が悪化するほか、案件が終了となってしまう可能性も。今後もお仕事を続けていきたいクライアントであれば、単価の交渉はより慎重に行う必要があります。
単価アップに失敗した場合のために以下を取り入れることがおすすめ。
- 単価がアップしない場合も「今後も仕事を続けたい旨」を伝えておく
- 他のクライアントに同時に単価交渉する
単価アップにおけるリスクを考慮し、事前に対策を取り入れましょう。
既存のクライアントで単価が上がらない場合は新規開拓も考える
自分の案件の平均単価をあげて収入アップを目指している場合、思い切って高い単価の案件に新規営業する方法もあります。
とくに専門性やスキルが身につき実績がある場合、新規開拓の方がスムーズに単価アップできる場合もあるんです。また、新しい案件で単価の高い仕事を得て自信をつけてから既存のクライアントに営業する方法もありますよ。
「Webライターとして単価をうまくあげられない人」「フリーランスとして単価をあげていきたい人」は、Webライターの進路やキャリアアップ法は?スキルを活かす仕事を解説もご覧ください。
まとめ
Webライターの単価交渉は、信頼関係ができたタイミングがベストです。
また、Webライターが単価交渉を目指す上で大切なポイントを守ると成功しやすくなります。
- 知識とスキルを伸ばす
- 専門性をつける
- 対応可能な業務の幅を広げる
- クライアントの望みを提供する
- 予算のあるクライアントとつながる
単価アップを目指すには正しい方法で行動していくしかありません。また確実に単価アップのポイントを実践できれば、単価交渉は成功しやすくなります。
今回紹介した単価アップのポイントやタイミング、伝え方のポイント、注意点などもぜひ取り入れてみてくださいね。
(文:秋月碧)
1996年生まれ、鹿児島県在住フリーライター。大学を卒業後、会社勤めを2年したのち退職。
会社員としての働き方が向いておらず、自分のペースで働けるフリーランスに転身。
現在は女性メディアを中心に執筆活動をしている。